12月は特集(全3回)『編集者の手解き』と題して、紙やウェブ等のメディアのみならず、最近では街や地域の「編集」も手掛ける「編集者」の仕事とは一体何なのか?について、編集者で「千十一編集室」代表の影山裕樹さんをゲストに迎えてお話を伺いました!
このページでは、3回にわたってお届けした特集をまとめています。ぜひ聴いてください!
「MOTION GALLERY CROSSING」は、編集者の武田俊と演劇モデルの長井短が、日本最大級のクラウドファンディングサイト「MOTION GALLERY」のプロジェクトを紹介しながら、アートやカルチャーにまつわる話題を、ゲストとともに掘り下げていくラジオ番組。東京・九段ハウスの提供でお送りいたします。
#031/section1「変わりゆく出版業界と編集者の存在」/影山裕樹(編集者/「千十一編集室」代表)
▶あらすじ
初の著書「内緒にしといて」の出版にあたって編集や出版についてディープに触れてきた長井さんの感想や疑問をベースに、影山さんと武田さんという、世代もキャリアも異なる二人の編集者が、クリエイターであり管理者・製作者の立場にも近いという「編集者の仕事」について基本から紐解く形でトークが繰り広げられました。
影山さんは出版社勤務を経てフリーランスになったことから、作家と編集者の関係性、長期連載の裏側、インハウスだからこその書籍づくりの光と影など、いわゆるオールドスクールの編集の経験を、一方で武田さんはインディーズの雑誌づくりからキャリアをスタートしたことから、まさに「門を叩く」ような経験を経て現在に至っており、そのエピソードから垣間見られる出版業界の変遷と編集者の多様性に、長井さんも驚きの連続でした!
さらには、「若気の至り」という影山さんと武田さんの出会いのエピソードや、編集者と映画監督の共通性、ライターと編集者と作家の視点の違い、裏方であった編集者が前に出ていくこれからの時代について、「テプおこ」とは?など、編集者入門とも呼べるトークをぜひお聴きください!
https://propo.fm/motiongallerycrossing/31
#032/section2「まちの編集からみるLOCALとTOKYO」/影山裕樹(編集者/「千十一編集室」代表)
▶あらすじ
section1でのメディア領域における編集者の仕事を経て今回は、近年よく耳にする「まちや地域の編集」という、気になるけど知っているようで知らないその中身について、ウェブサイト「EDIT LOCAL」の運営やローカルでのまちの編集を多く手掛ける影山さんと、パーソナリティ武田さんの経験を交えながら紐解きました。
その地域のプレイヤーたちを繋ぎ合わせることで、地域を活かす盛り上がりや新しい展開を生み出していくことは「対談記事と同じ」と話す影山さん。そこから派生して、地域の祭りに参加するなど編集者自身がプレイヤーとしても地域に参入するケースも多く、影山さんもまた、ローカルでのまちの編集を手掛ける際には長期で滞在することも多いことから、ローカルならではの、地元の人たちとの距離感とその縮め方についての話題では、コロナ禍でリモート化が進む中、リアルで会うことの大切さが話されました。
また、再開発で街が画一化する東京と、一方で「余白がある」関西の文化についてトークは発展し、路上カルチャーが失われていくことについて「そんな清潔なところからカルチャーなんか生まれない」というパーソナリティ長井さんの発言には全員納得でした。さらには、まちづくりにおける建築のエリア・リノベーションの概念や、武田さんも手掛けるアーティスト・イン・レジデンスが高齢化の進む地域に及ぼす好影響など、編集者のみならず様々なクリエイターが参加することで地域が盛り上がっていく事例も盛り沢山!ぜひ聴いてください!
https://propo.fm/motiongallerycrossing/32
#033/section3「“バズる“では創れないこれからのメディアと編集者の在り方」/影山裕樹(編集者/「千十一編集室」代表)
▶あらすじ
特集の最終回。メディア・地域を編集するなかで避けて通れない、より広く多くの人に届けるための施策、いわゆる”バズらせる”ことについて、武田さんによる作家・古川日出男さんとのエピソードや、また、影山さんが書籍やローカルの編集を通して感じる、一過性のものではなく時間と信頼という資産を積み上げてファンやコミュニティ・文化を形成していくことの重要性などを交えながら、広げることとつくりこむことのジレンマを抱えながら取り組む編集者の姿勢と、在り方についてトークが繰り広げられました。
そのなかで、ローカルのメディアづくりにおいては、近年ビジネスチャンスにもなっているこの領域において、東京的な観点で消費されるのではなくその地域の文化をつくっていくこと、そしてそのために必要とされるリテラシーとスキルを地域の人に伝え馴染ませていくこともまた、編集者の役割であるという意義深い展開ともなりました。
さらには、同人誌と共通するこれからあるべきメディアづくりの視点、PVではない変わりゆくメディアの指標とそれによる変容、「谷根千」のルーツ、影山さんが手掛ける小豆島の妖怪美術館の書籍制作を支援するクラウドファンディングなど、今回もメディアとローカルを縦断して活動する編集者ならではのトークが盛り沢山です!ぜひ聴いてください!
MOTION GALLERY CROSSING(モーションギャラリークロッシング)
編集者の武田俊と演劇モデルの長井短が「これからの文化と社会のはなし」をゲストとともに掘り下げていくPodcast(ポッドキャスト)番組『MOTION GALLERY CROSSING』。日本最大級のクラウドファンディングサイト「MOTION GALLERY」が東京・九段ハウスから毎週お届けしています!
「表現」のようなクリエイティブな活動や「まちづくり」のようなパブリックな活動は、どうしても短期的な経済合理性と二律背反になりがち。新しいチャレンジやアイデアが「お金」を理由にストップせざるを得ない事例を1つでも減らすために立ち上がった「MOTION GALLERY」には、そんな二律背反を打破する新しい文化投資・社会投資の種や事例が沢山あつまっています。『MOTION GALLERY CROSSING』では、そんなプロジェクトの話しも交えつつ、みんなで「これからの文化と社会のはなし」を考えて行きたいと思っています。
https://info.motion-gallery.net/crossing/今回の出演者
影山裕樹
編集者/「千十一編集室」代表
1982年、東京生まれ。編集者、文筆家、メディアコンサルタント。”まちを編集する出版社” 千十一編集室 代表。アート、カルチャー書の出版プロデュース、ウェブサイトや紙媒体の編集・制作、執筆活動の他、全国各地に広がる地域×クリエイティブ ワークショップ「LOCAL MEME Projects」の企画・運営、ウェブマガジン「EDIT LOCAL」の企画制作、オンラインコミュニティ「EDIT LOCAL LABORATORY」の企画運営など幅広く活動を行っている。著書に『ローカルメディアのつくりかた』、編著に『あたらしい「路上」のつくり方』など。ダイヤモンド・オンラインにて「コミュニティメディアのつくりかた」、SUUMOジャーナルにて「全国に広がるサードコミュニティ」連載中。(写真:中庭愉生)
https://sen-to-ichi.comこの番組のパーソナリティ
武田俊
メディアリサーチャー・文筆家・編集者
1986年、名古屋市生まれ。法政大学文学部日本文学科兼任講師。JR埼京線沿線のエリアスタイルマガジン「SAI-KYO DIALOGUE LINE」編集長。まちづくり領域のバーティカルリサーチメディア「M.E.A.R.L」編集長。JFN「ON THE PLANET」月曜パーソナリティ。 大学在学中にインディペンデントマガジン『界遊』を創刊。編集者・ライターとして活動を始める。2011年、代表としてKAI-YOU,LLC.を設立。2014年の同社退社以降「TOweb」、「ROOMIE」、「lute」などカルチャー・ライフスタイル領域のWebマガジンにて編集長を歴任。メディア研究とその実践を主とし、様々な企業のメディアを活用したプロジェクトにも関わる。右投右打。
http://takedashun.com/長井短
演劇モデル
1993年生まれ。東京都出身。モデルとして活躍する傍ら、舞台、TV、映画で女優として活躍、またバラエティでも特異なキャラクターで注目される。最近の主な出演作に、KERA×CROSS第2弾『グッド・バイ』、月刊「根本宗子」第6号『バー公演じゃないです。』他。TVドラマ「ギルティ」(YTV)「離婚なふたり」(EX)、「家売るオンナの逆襲」(NTV)、映画『あの日々の話』「耳を腐らせるほどの愛」。
http://popbelop.blogspot.com/最近のエピソード
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2023.05.24
特集『2023年もしくろの春』
もしくろ5月は【2023年もしくろの春】と題して、この時期恒例の過去一年(and more…)の特集や、いわば番組の"同期"となるコロナ禍とのこれまで、さらには初回テーマであった「ミニシアター・エイド基金」のことなど、武田さん・長井さん・大高さんの3人トークでお送りします。 このページでは、4回にわたってお届けしたエピソードをまとめています。ぜひお聴きください! 番組のオンラインコミュニティ「もしもし文化センター」へは、下記よりアクセスいただけます!みなさんの参加をお待ちしております!https://basic.motion-gallery.net/community/moshibun また、Spotifyにて番組のエピソードとゲスト&パーソナリティの選曲を織り交ぜたプレイリストを更新中です!ぜひ「My Library」への登録をお願いします!https://open.spotify.com/playlist/6EY8LFSdS7B0OOl5wxldXr 「MOTION GALLERY CROSSING」は、編集者の武田俊と演劇モデルの長井短が、日本最大級のクラウドファンディングサイト「MOTION GALLERY」のプロジェクトを紹介しながら「これからの文化と社会のはなし」をゲストとともに掘り下げていくラジオ番組。リスナーのみなさんとつくるオンラインコミュニティ、「もしもし文化センター」よりお送りしています!
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2023.05.24
#146 チェーンメールが回ってこない | 特集【2023年もしくろの春】 section4
もしくろ5月は【2023年もしくろの春】と題して、この時期恒例の過去一年(and more…)の特集や、いわば番組の"同期"となるコロナ禍とのこれまで、さらには初回テーマであった「ミニシアター・エイド基金」のことなど、武田さん・長井さん・大高さんの3人トークでお送りしました。 前回に引き続きコロナ禍の3年を振り返りながら、番組とは深い縁のある「ミニシアター・エイド基金」の活動完了の話となった今月の最終回。ベースが斜めだから/好きにやったらいんだなと思えるようになった/チェーンメールが回ってこない/振り返らざるを得ないコロナ禍での東京オリンピック/不条理さ/「ミニシアター・エイド基金」懇親会/同窓会のような雰囲気/日本版CNC/チケット税/国内の映画産業への助成に回す、など…。 さらに、オープニングでは、五月病を乗り越えるライフハックをアップデート。ずっと五月病の気がする/ポケモンGOをやりなさい!/身体を動かしてメンタルを変える/自炊と無心など、こちらもお聞き逃しなく! 今回のHotProjectsでは、「恋せぬふたり」や大河ドラマ「どうする家康」など、数多くのドラマ制作を手がけている、野口雄大監督の初映画作品「さまよえ記憶」のプロジェクトをご紹介!「大切な人の喪失に直面した際、その現実と記憶に、私たちはどのように向き合えば良いのか」、そんな監督の実体験からくる想いが込められた本作。米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「SSFF & ASIA 2023」のショートリスト(ノミネート候補)に入っているとのことで、今後の展開も楽しみです…!キャスティングと水切りの制作秘話からも、監督の想いの強さを感じました。まずはぜひプロジェクトページをチェックしてみてください! 「MOTION GALLERY CROSSING」は、編集者の武田俊と演劇モデルの長井短が、日本最大級のクラウドファンディングサイト「MOTION GALLERY」のプロジェクトを紹介しながら「これからの文化と社会のはなし」をゲストとともに掘り下げていくラジオ番組。東京・九段ハウスの協賛でお送りいたします。 <もしもし文化センター>番組のオンラインコミュニティ「もしもし文化センター」へは、下記よりアクセスいただけます!みなさんの参加をお待ちしております!あなたも”もしもしーず”になろう!https://basic.motion-gallery.net/community/moshibun <番組プレイリスト更新中!>番組では、エピソードとゲスト&パーソナリティの選曲を織り交ぜたSpotifyプレイリストを更新中です!ぜひ「My Library」への登録をお願いします!https://open.spotify.com/playlist/6EY8LFSdS7B0OOl5wxldXr <Hot projects>~記憶を質に入れる~野口雄大による初監督映画「さまよえ記憶」を制作&上映するためのプロジェクトhttps://motion-gallery.net/projects/samayoekioku <九段ハウス>https://kudan.house/ <ご意見・質問お待ちしてます!>番組のハッシュタグ #もしくろhttps://twitter.com/intent/tweet?hashtags=もしくろ
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2023.05.17
#145 コロナ禍と私の3年間 | 特集【2023年もしくろの春】section3
もしくろ5月は【2023年もしくろの春】と題して、この時期恒例の過去一年(and more…)の特集や、いわば番組の"同期"となるコロナ禍とのこれまで、さらには初回テーマであった「ミニシアター・エイド基金」のことなど、武田さん・長井さん・大高さんの3人トークでお送りしています。 5月から新型コロナが5類に引き下げられて、これまでの感染予防のためのルールが緩和されてきた今、この3年の変化を振り返ってみました。ライブ・スポーツ観戦の声出し解禁/野球観戦を好きになる自分の可能性/野球場は心が広い/試合中の流しそうめん/DIYのボールパーク構想/人と話すのってこんなに難しかったっけ?/どのテンションで3年間を振り返るか/何度も変わった世界/マスクをつける時はずす時/徒歩が増えて東京の土地勘がついた/自分が選んでいない正しさ/藤子・F・不二雄「流血鬼」のすすめ、など…。 さらに、オープニングでは4月からの新ルールで思わず盛り上がって…。こち亀とサザエさんに出てきそう/まっすぐに努力義務を果たすヘルメットおじさん/いま3月40日くらい/デジタル給与で銀行ってどうなるの…/給与にポイントつくの?/初PayPayの思い出など、こちらもお聞き逃しなく! 今回のHotProjectsでは、映画『何をそんなに慎ましく』の制作支援プロジェクトをご紹介!「恋愛至上主義的な現代日本のなかで、恋愛関係ではないが「恋愛と同等に大切で強固な関係性」を築くことができるのか。」「この映画を通じて、すべての「愛」が等しく語られる世の中を目指したい。」として、吉田奈津美監督が2年半かけて脚本を書き上げた本作。クランクインは今秋とのことですが既にビジュアルもつくられていて、想いと気合いの強さを感じます…!ぜひプロジェクトページをチェックしてみてください。 「MOTION GALLERY CROSSING」は、編集者の武田俊と演劇モデルの長井短が、日本最大級のクラウドファンディングサイト「MOTION GALLERY」のプロジェクトを紹介しながら「これからの文化と社会のはなし」をゲストとともに掘り下げていくラジオ番組。東京・九段ハウスの協賛でお送りいたします。 <もしもし文化センター>番組のオンラインコミュニティ「もしもし文化センター」へは、下記よりアクセスいただけます!みなさんの参加をお待ちしております!あなたも”もしもしーず”になろう!https://basic.motion-gallery.net/community/moshibun <番組プレイリスト更新中!>番組では、エピソードとゲスト&パーソナリティの選曲を織り交ぜたSpotifyプレイリストを更新中です!ぜひ「My Library」への登録をお願いします!https://open.spotify.com/playlist/6EY8LFSdS7B0OOl5wxldXr <Hot projects>《制作費支援募集》恋愛関係以外のハッピーエンドが少なすぎる世の中へ、私たちだけのハッピーエンドを描いた映画を届けたい。https://motion-gallery.net/projects/sochan_film <九段ハウス>https://kudan.house/ <ご意見・質問お待ちしてます!>番組のハッシュタグ #もしくろhttps://twitter.com/intent/tweet?hashtags=もしくろ
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