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世の中の興味深いマーケティング事例や大きな数字、意外な事実など、経営者 榊原直也 のアンテナに留まったビジネス話題をご紹介する『ばらさんのBusiness Talk | バラトーク』。

今回のテーマは様々な都市です。都市の人口規模や特性をひも解いていくと、日本の魅力が再発見できます。

今回も大前さんと曽志崎さんとともに、お話を進めてまいります。

 

◇ 出演者 榊原直也 / 曽志崎寛人

◇ ゲスト 大前和徳さん

提供 : データ・サイエンティスト株式会社 
https://kwtool.co/company.html

ヨーロッパの生存戦略として生まれた、EUという共同体

5ヶ国語を操る国際鉄道の車掌から見る、ヨーロッパの多様性

名古屋がパリになる!?人口規模が示す意外な都市の可能性

関西経済圏GDPアップの秘策は、飴ちゃんをくれるおばちゃん

なぜ中国人は関東ではなく関西を選ぶのか

ハイレベルなQOLが得られる地方都市

強靭な国際競争力を持つポテンシャル都市・東京

テラスハウスで日本語を勉強する時代にふさわしい海外観光客誘致策とは

ヨーロッパの生存戦略として生まれた、EUという共同体

榊原:一つ疑問があるんです。ヨーロッパ大陸に住む方々は、自分たちを大陸の人間だと思っているのでしょうか。

というのは、ヨーロッパ大陸では歴史的に、山脈や川に隔てられた地域ごとに、独自の言語を持つ比較的小さなコミュニティが形成されてきました。そのため、ヨーロッパ大陸に住んでいる人は、物理的には大陸に住んでいても、自分達は小さなコミュニティで生活しているという意識を持っている可能性はありませんか。

大前:あると思います。ヨーロッパは、大陸とイギリスのブリテン島で線が引かれることがありますが、それはEUの高官や、イギリスの知識層の人が思っているだけかもしれません。ヨーロッパはとても複雑です。小さなコミュニティで生活しているという認識を持ちつつも、戦争の痛い経験から、結束しようとEUを設立した多様性が共存しています。

各諸国のアイデンティティを保ちながらも、グローバルに戦うために、経済的に一緒に動いていく。国ごとに言語が違うのは仕方ないとしても、すぐ近くの隣国にちょっと行くだけで通貨を変え、行く先々でパスポートチェックをするのは、ヨーロッパ大陸では不便ですよね。だからEUという共同体を作り、パスポートフリーで両替も不要にするのは、実利にかなっているんです。

 

5ヶ国語を操る国際鉄道の車掌から見る、ヨーロッパの多様性

榊原:EU設立前のヨーロッパは、電車で国境を越えるたびにパスポートチェックをしていました。日本に置き換えると、都道府県ごとにパスポートチェックをする感じでしょうか。よく機能していましたよね。

大前:僕が以前、アムステルダムからパリまで乗った高速鉄道のトレインマネージャーがすごかった。オランダ語、英語、ロシア語、ドイツ語など5ヶ国語くらいを、次の駅が近づくたびに、一人でぶぁーっとアナウンスしていくんです。

榊原:当然、接客も複数の言語でされるんですよね。

大前:そうだと思います。多様性の力はすごいですね。最近、日本の新幹線でもトレインマネージャーが英語でアナウンスをしていましたよ。

榊原:東京の電車の中でも、多言語のアナウンスが流れ始めましたね。

曽志崎:半蔵門線の車掌さんも、英語と日本語の両方を話していました。ここ1〜2年位の動きですよね。

榊原:日本の鉄道でも、5ヶ国語対応の車内アナウンスが流れる未来が来るのでしょうか。

大前:島国ですから難しいかもしれません。しかし、日本は多言語化している方だと思います。空港では、韓国語、中国語、英語のアナウンスが頻繁に流れている。日本が仲良くしようとしている国が分かりますよね。

ちなみにイギリスでは、当たり前のようにアナウンスは英語のみです。

 

名古屋がパリになる!?人口規模が示す意外な都市の可能性

榊原:ヨーロッパの都市の中で一番人口が多い街は、意外にもロシアのモスクワなんです。

大前:そうなんですか!

榊原:モスクワの人口は1,250万人。人口規模では世界で16番目のメガシティです。

曽志崎:ロンドンの人口はどれくらいですか?

榊原:ロンドンの人口は1,100万人弱。名古屋とほぼ同サイズなんです。

曽志崎:人口規模による経済圏以外に、ロンドンには魅力があると裏付けられますね。

榊原:そうですね。

モスクワを人口規模で捉えると、大阪・京都・神戸経済圏が連想されます。というのも、モスクワと大阪・京都・神戸経済圏は、どちらも人口が1,700万人前後なんです。エジプトのカイロやロサンゼルスの人口規模も似ています。

つまり、大阪・京都・神戸や、カイロ・モスクワ・ロサンジェルスの人口規模が、ひとつの規模感なんです。

では、東京経済圏の人口規模はどれくらいなのか。

東京経済圏は圧倒的に大きくて、3,800万人以上。上海より東京・横浜の人口の方が多いんです。

各都市を人口規模で見ていくと、パリやロンドンなど世界に名声が轟いている都市でも、人口規模でいうと名古屋と同じ。ということは、名古屋経済圏でも戦略次第で、これからロンドンやパリになって行く可能性があるということです。

 

関西経済圏GDPアップの秘策は、飴ちゃんをくれるおばちゃん

榊原:大阪経済圏は人口規模大きいにもかかわらず、GDPが振るわない。私は関西経済圏は、もっと独自色を出していかなければいけないと思うんです。

まず、関西のデパートや電車のアナウンスが、なぜか標準語です。あれは全部、関西弁にして、その後にみなさんに分かるように標準語や外国語のアナウンスをするといいでしょう。

大前:ちょっと待ってください。日本語だけで、関西弁と標準語で分かれるということですか?

(一同、笑い)

榊原:そういう風にしていかないと、関西独特の面白みが出ない。例えば鶴橋の駅を降りたら、お好み焼きと焼き肉の匂いが入り混じった、街の独自の匂いがしますよね。

曽志崎:そこに関西弁の車内アナウンスを流す…。

榊原:さらに、バックミュージックでタラララッタラ~♫(吉本新喜劇のテーマ)と…。これぞ大阪だという雰囲気を、みんなで盛り上げていくべきです。東京に住んでいてなんですけど。(笑)

大前:東京に住んでいるから余計、関西色を味わいたいのかもしれませんよ。僕も御堂筋線の車内で、何気ない子供たちの会話を聞いて「関西では子供でも関西弁を完璧にマスターしているな」と感心しつつ、大阪にやって来たことを実感します。

榊原:隣のおばちゃんから「兄ちゃん、飴ちゃんいる?」って突然渡されたりね。

大前:あれは都市伝説でなく、本当にあることなんですか。

榊原:ずっと大阪に住んでた私でさえ、飴ちゃんをくれるおばちゃんに出会うのは、数年に一回です。でも逆に言ったら、数年に一回くらいはあるってことです。特に空いている電車内では、なぜか飴をくれるおばちゃんとよく出会います。

曽志崎:東京圏に住んでいて、僕は一回もありません。

何度も日本に来たことのあるベテラン観光客の方は、一般的な観光よりマニアックなものに目を向け始めますよね。そんな時に、飴ちゃんをくれるおばちゃんに目が向いたら面白いですね。

 

なぜ中国人は関東ではなく関西を選ぶのか

大前:僕が今、一緒に仕事をしている日本在住の中国の方なんですが、東京に会社があるのに、家族ごと関西に移住してしまったんです。

榊原:どうしてですか。

大前:その方は関西で日本語を勉強した方で、「中国人にとっては関西の方がいい。東京はちょっと暮らしにくい」と、言っていました。

榊原:東京は、お行儀が良すぎるのでしょうか。

最近は大阪もマナーが良くなりました。私が上京する前の1995年くらいは、ホームの電車待ちの列に並ぶ人はいませんでした。しかし驚いたことに、数年後、久しぶりに大阪に戻ると、どの駅のホームでも電車待ちの列に並んでいました。たった数年の間に、一体なにがあったのでしょう。

大前:当時の知事、横山ノックさんの大号令でもあったんですかね。(笑)

榊原:おおらかな大阪ですから、中国の方が関西の方が少し居心地よく感じるというのは、分かる気がします。車の駐車の仕方にしても、少しゆるい感じですしね。

曽志崎:大阪名物・縦列駐車!

榊原:今時はそんなことないけど、以前は3重駐車もありましたね。

 

ハイレベルなQOLが得られる地方都市

大前:以前、野村証券の社長だった方が「大阪という街は、とても便利だよ」とおっしゃっていました。その方は転勤で全国を見てきた、様々な街を知る方です。

ゴルフに行く場合、ゴルフ場が東京よりもはるかに近い。ゴルフの後も、あっという間に帰ってきて、シャワーを浴びたり、もう一仕事できる。東京的なものがほぼ揃っていて、しかもコンパクトな範囲にあるというのが、大阪の良さだそうです。

榊原:そうですね。東京では、1時間~1時間半の通勤は当たり前です。しかし関西で1時間半通勤したら、それはもう出張。東京と大阪では、距離の感覚がずいぶん違います。

大前:野村証券の社長だった方は、大阪は時間がゆったりとしていて、クオリティの高い生活が送れる場所だともおっしゃっていました。

榊原:福岡もクオリティの高い生活が送れる場所だという声を聞きます。食べ物も美味しいし、人は優しいし、なんでも近くで済む。

大前:福岡の街は、とても開放感がありますよね。空港が非常に近いため、街中に高い建物が立てられないことが理由のようです。福岡空港は地下鉄で数駅、タクシーならワンメーターで行けます。東京駅から2~3駅で、羽田空港があるという感覚でしょうか。

 

強靭な国際競争力を持つポテンシャル都市・東京

大前:空港と都市中心部へのアクセスは、非常に大切です。羽田空港に国際線が戻ってきたのは、大きな意味があります。羽田と東京都心までの距離感は、多分ヒースローよりも近いと思います。

東京の空港アクセスは、成田ではなく羽田想定で語れば、国際的に見ても便利な空港だと言えますね。

榊原:「日本が少子化で…」となどとよく言われますが、冷静に数字を見ると、実は東京という経済圏だけに限って見た場合、考えられないくらい強い競争力を持っています。世界のどのビックシティよりも大きく、整備が行き届いており、さらにまだ改善の余地が無限に残っている。これほど有望な街は珍しい。

大前:そうだと思います。

榊原:ところが、統治機構は旧態然としており、たいして挑戦的なことはしていない。にも関わらず、現在のような繁栄を見せている。東京のすごさですよ。

みなさん、この番組を聴いてくださる方だけでも、もっと日本や東京に自信を持っていただきたい。

大前:そうです。ネガティブな意見にとらわれず、東京や日本の良さを発見して、移り住んで来る外国の方が近年増えているような気がします。

榊原:ここ10年は特にそうですね。

外国の方に言われて、初めて気づかされる日本の魅力は多いと思います。外国の方は口々に、日本の食べ物はおいしいと言いますが、我々からすると「そんなにおいしいかな」と思ってしまう。

大前:僕は留学から帰って来た直後、500円でおいしい定食が食べられる日本という国に感動しました。ヨーロッパでは、サンドイッチとお水で1,000円でしたから。

 

テラスハウスで日本語を勉強する時代にふさわしい海外観光客誘致策とは

大前:今、僕のアメリカのホストファミリーだった方のお孫さんが、英語教師として日本に来ているんですが、彼はNetflixでテラスハウスを見て、日本語を勉強したそうです。今は勉強するツールも様々だなと感じました。

榊原:アニメやドラマを見て、日本語を勉強する方は多いですよ。以前、上海で中国人の方を面接したことがあります。みなさん日本語がとても上手なのですが、日本に来たことがないと言われました。勉強法はやはり、学校の授業 に加えて日本のアニメとドラマだそうです。

大前:ソフトのパワーですよね。

インターネットやSNSのおかげで、埋れた資源を発見しやすくなっている時代です。そういう意味で、日本におけるインバウンドの人口が増えて来ているのは、必然ではないでしょうか。

国は観光客を増やすために様々な施策を行っていますが、我々は何か特別なことをせずに、今ある情報を発信し、発見されるのを待てばいいだけのことのような気がします。

ばらさんのビジネストーク!

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この番組のパーソナリティ

榊原直也

榊原直也

データ・サイエンティスト株式会社 代表取締役社長

Webメディアと検索順位との関係を数学的に解き明かす技術で複数の特許を持つ。その技術を駆使したサイト診断サービスは、その効果が口コミで広がり、いまや著名企業が何ヶ月も待つほどの人気サービスに。プライベートでは、難しい分野でもわかりやすく楽しい雑談ネタにしてしまう「バラトーク」が、学生、主婦、ビジネスマン、経営者など幅広い層に大人気。モットーは「楽しく!わかりやすく!」。

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