世の中の興味深いマーケティング事例や大きな数字、意外な事実など、経営者 榊原直也のアンテナに留まったビジネス話題を紹介する『ばらさんのBusiness Talk | バラトーク』。
今回のテーマは、公私ともに多忙きわめるあなたにぴったり!名著『7つの習慣』が推奨する実用的なスケジュールリング技法を紹介。効率のいいスケジュールの組み立て方や、スケジュール管理の肝となる「第二領域」について分かりやすく解説します。
◇ 出演者 榊原直也 / 曽志崎寛人
提供 : データ・サイエンティスト株式会社
https://kwtool.co/company.html
- 自分の立てたスケジュールに振り回されていませんか?
- 『7つの習慣』に学ぶスケジュール管理の基本
- スケジュール管理の達人は「第二領域」を制す
- 人類史上経験したことのない平和な時代
自分の立てたスケジュールに振り回されていませんか?
榊原:スケジュール管理って人によって様々ですし、難しいですよね。
曽志﨑:ここ最近はどんな時間を過ごされていたんですか?
榊原:この2週間ばかり、新しく開発するWeb機能のユーザーインターフェイスのことで私の頭はいっぱいです。「どういう仕掛けであればユーザーを感動させられるか?」なんて想像していると、あっという間に時間が過ぎていきます。
ユーザーにしてみれば、なんてことのないボタン操作の改善であっても、見えない部分では実に様々なことが動いているものです。それらの動きを予測しながら、アイデアの開発実現性を少しずつ高めていくのが私の役目。「よし、初年度は〇〇に集中しよう」、「第二段階に進んでから、こんな機能を足してみるのもアリだな」。そんな風にあれこれイメージするのがプロジェクトの醍醐味といえます。
曽志﨑:榊原さんは、スケジュールをどのように管理されているのですか?
榊原:自分自身では、スケジュールをあまり細かく設計しすぎないようにしています。というのも、私が携わっている長期的なシステム開発の場合、あまり細かなスケジュール管理に躍起になる必要性はありません。なぜなら、一旦アイデアが固まってしまえば、ゴールに向けて継続してやるべきことに困らないからです。
なので、私の場合はある程度の締め切りを自分の中で設けたら、あえてその後のスケジュールを明確化しません。いつ終わるとも分からないプロジェクトに振り回されると、スケジュールを死守するために仕事をする、という本末転倒な状況に陥ってしまいかねないので。
曽志﨑:とはいえ、目標達成に向けて優先順位を把握するためには、どうしてもスケジュールが細切れになってしまうケースも出てきますよね。そうすると、往々にして予定通り進まずにストレスを溜めてしまいがちです。
榊原:そんなとき、ちょっとした工夫ひとつでスケジュール管理を改善させる方法がありますよ。
『7つの習慣』に学ぶスケジュール管理の基本
榊原:せっかく組んだスケジュールが順調に進んでほしいと考えるのはしごく当然です。しかし、予定を詰め込めば詰め込むほど、思い描いた通りに進まないどころか、ゴールは遠のくばかり。そんなとき、ぜひ参考にしてほしいのがスティーブン・R・コヴィー著『7つの習慣』に紹介されているスケジューリング技法です。
要は、「予定表にいきなりスケジュールを書き込むな」ということなんですね。
実践方法はいたってシンプル、予定を書き込む前に、まず自分自身が担う役割(アクター)をすべて洗い出します。分かりやすく、ひとりの男性を例にイメージしてみましょう。
会社では「部長」の肩書きを持つある男性は、プライベートにおいて彼は誰かの「息子」です。また、すでに自身の家庭を持っているのであれば「夫」や「父親」の役割もプラスされます。また、地元コミュニティでは町内会の一員を務めるかもしれません。このようにして、公私を問わずあなたという人間が担う複数のアクターをひとつ残らず列挙していくのです。
そこから、各アクターに求められるスケジュールをどのように振り分けていくのか?がポイントになります。例えば「仕事が順調な分、ずいぶん親孝行が疎かになってるな…」という分析をもとにスケジュールを組めば、自ずと優先されるアクターは導かれます。
スケジュール管理の達人は「第二領域」を制す
榊原:『7つの習慣』では、緊急度・重要度の二面性から、それぞれの高低レベルをもとに4つの領域に分けたスケジュール管理を提唱しています。
担うべきアクターそれぞれには、急ぐ必要はないが継続してやるべき「第二領域」なるものが存在します。先の男性の例でいえば、父親というアクターの「第二領域」のひとつには「家族サービス」が挙げられるでしょう。そして、より実用的で理想的なスケジュール管理を目指すには、この「第二領域」へ力を注ぐことが最短の近道となります。
曽志﨑:しかし、日頃から緊急度・重要度ともに高い事案を優先しがちな私たちにとって、それまで意識の薄かった「第二領域」を明確化することには危険を伴いますよね。なぜなら、自分のなすべきことが具体的に何であるのかが分からず混乱するためです。
そんなときに、先にリストアップを済ませておいたアクターの存在は役立ちそうです。自分自身に課された役割をすばやく認識することで、スケジュールそのものに追われることなく、より能動的に効率よくものごとを進められますね。
僕の周りにも『7つの習慣』の考え方を大事にしている人は多くて、中には社是として「第二領域を大事にする」と掲げている経営者もいるくらいです。
人類史上経験したことのない平和な時代
曽志﨑:1996年にアメリカで発行されてから国際的ベストセラーを記録した『7つの習慣』は、現在でも世界中の人々に愛読されています。よりよい信頼関係をも築いてくれる「第二領域」は、もはやビジネスの成功をもたらすだけではなく、人生そのものを豊かにする概念といっても過言ではありません。
榊原:いい世の中ですよね。こんな素敵な考え方が世界中で流行るなんて。世界は『7つの習慣』が生み出した素晴らしい価値観や文明の力によって、確実に良い方向に進んでいる。
例えば、インターネットひとつとっても感激することばかりです。自身の関心に見事にヒットするレコメンド機能や、暗い気持ちを吹き飛ばしてくれるような心温まるニュース、SNSが届けてくれる友人の充実した様子など。ひとつひとつは些細なことであっても、世界全体で見ればどれだけ多くの人々を幸福にしていることでしょう。
もちろん、いまだに世界各地で続く紛争をはじめ、天災や疫病などによる被害があることも事実です。しかし、私たちが真に注目すべきは、世界の大多数を占める人々の現状ではないでしょうか。意図的に切り取られた一面だけに一喜一憂せず、いま一度クローズアップされることのない何十億という人々の生活に目を向けてみましょう。
20年前と比較しても、幼くして亡くなる子どもの数や伝染病による被害は明らかに減っています。それこそは、長きに渡って私たち人類が求めてきた「平和」の姿といえます。
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