2019.11.06

「複業」マルチな働き方が実現。日常で広がる視点や知識

エピソードを聴く

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世の中の興味深いマーケティング事例や大きな数字、意外な事実など、経営者 榊原直也のアンテナに留まったビジネス話題を紹介する『ばらさんのBusiness Talk | バラトーク』。

時代は“副業”から“複業”へ。本業に縛られることなく、マルチな才能を発揮して楽しく働くことをテーマに、副業のエキスパート・マサさんにお話をうかがいました。

 

◇ 出演者 榊原直也 / 曽志崎寛人

◇ ゲスト MASAさん / 村西重厚さん 

提供 : データ・サイエンティスト株式会社 
https://kwtool.co/company.html

  • 副業NGの会社でもセーフな、住宅ローンを使った不動産運用事業
  • 将来の売却を見据えて環境の整った人気エリアを選ぶ
  • 不動産のリセールバリューを高めるテクニック
  • 副業をはじめることで生まれるビジネスマンとしての余裕
  • 理想的な副業は本業のスキルアップにもつながる一石二鳥型

 

副業NGの会社でもセーフな、住宅ローンを使った不動産運用事業

榊原:一口に副業といっても多岐に渡りますが、マサさんの副業スタイルを教えていただけますか。

マサ:「いつ会社をクビになっても構わない」そんなスタンスで副業を楽しんでいます。とはいえ、7年前にはじめたころはクビになるのを恐れ、住宅ローンを利用した不動産運用からスタートさせました。まず26坪の土地を購入し、51%が自宅、残り49%が賃貸の3階建て賃貸併用住宅を建てました。 

榊原:その比率は何か重要なんですか?

マサ:はい。住宅ローンを借り入れて賃貸併用住宅を建てる場合、床面積の51%が自宅でないとダメなんです。

榊原:なるほど。他のローンより低金利である住宅ローンを使わない手はないですよね。

マサ:はい。当時アパートローンの相場は金利1~2%・返済期間10~20年。対して、住宅ローンの場合は、金利0.8~0.9%・返済期間35年でしたから。35年あればローンの返済に躍起になる必要がなく、家賃収入をそのまま返済に充てられるため安心です。

 

将来の売却を見据えて環境の整った人気エリアを選ぶ

マサ:夫婦共働き世帯である私の場合、幸いにもペアローンを組むことができました。これなら夫婦二人分の年収合計額×7~8倍まで融資額がアップするため、人気エリアや有名小学校区など将来の売却を視野に入れた不動産にも手が届きます。

村西:やっぱり、決め手は「学区」と「駅近」ですか?

マサ:そうですね。ファミリー層なら「学区」、それ以外なら「駅近」がポイント高めでしょう。でも、そういうエリアは値段が高すぎて手が出ないのも現実。私たちの場合は、偶然にも車が入れない土地にめぐり合えたので安く済みました。車が通れないだけで資産価値って2割ほど下がるんですよ。

榊原:そんなに!?

マサ:ええ。なのに家賃の相場は同じ。つまり、それだけ収益性が高くなるんです。

榊原:車を持たない人が賃貸に住むケースって多いですもんね。

マサ:はい。都心に住む場合、自転車さえ停められれば全然OKだったりしますから。

 

不動産のリセールバリューを高めるテクニック

曽志崎:現在もそこにお住まいなんですか?

マサ:いえ、つい先日売却しました。ベランダに屋上へ続く鉄骨階段を設置したので心配しましたが、無事に売ることができました。

当時、妻の強い要望を受けて屋上を作ることを決心したものの、問題は階段をどうするか?当然、家の中に作る方がスマートだし導線的にもバッチリなんですが・・・そうすると「容積率」に引っかかる。容積率というのは、その土地にどれくらいまで建物を建てられるか?という建築ルールのひとつで、屋内に設置した階段はそこに算入されます。

それを回避すべく、200万円かけてベランダに階段を作ることに。私はコスト的に反対でしたが、売却時にプラスに働いたので満足しています。なんといっても眺望が抜群だし、プール遊びや布団を干すのにも重宝します。

その他にも、ニーズのありそうなロフトを設置したり、自分の書斎から各賃貸にインターネット回線を飛ばしたり、不動産価値を高める様々な工夫をしました。 

 

副業をはじめることで生まれるビジネスマンとしての余裕

村西:マサさんは、もともと副業精神旺盛だったんですか?

マサ:いえ、リーマンショックがきっかけです。それを境に社内環境は激変、尊敬する上司やエース級社員が次々とリストラされました。そんな光景を目の当たりにし、それまでの働き方に不安を覚え、賃貸併用住宅をスタートさせたんです。

結果、複数の収入の柱を持つことで「会社なんていつ辞めてもいいよ」という余裕が生まれ、より効率的に動けるようになりましたね。

村西:私の場合は、かつて勤めていた大手メーカーの人事異動がきっかけです。新規事業を担う部署に任命されたはいいが、プロジェクトを提案するたびに上司から否定され続けたんです。そんな苦い経験から、リスクを負わないサラリーマンが会社に対してだけリスクを求めるのはいかがなものか?と考え、40歳にして独立への道を歩みはじめました。

人それぞれきっかけこそ異なれど、働くことを通して芽生える自立心を、どのような形で社会へ適合し、副業として実現させて行くか?が重要でしょうね。

 

理想的な副業は本業のスキルアップにもつながる一石二鳥型

マサ:私も副業の準備には苦労しました。いざ賃貸併用住宅をはじめると決めて銀行へ赴いても、どこも上から目線。背負っている銀行の看板を忘れて「俺が金を貸してやってる」と勘違いしている担当者ばかり。そんな対応に疑問を持ち「ならば、同じ銀行員としてリスクを負ってみようじゃないか!」と借金することを決意したんです。

しかし、メガバンクはじめ、都銀・地銀・信金・公庫と見事なまでに断られます。理由はどこも「無担保では貸せない」の一点張り。私自身、当時の属性で融資を受けるのは困難だろうと踏んでいたものの、さすがに29社連続で断られたときは堪えましたよ。それでも挫けることなく足を運んだ30社目、ようやく無担保で2000万円の融資が下りたんです。

曽志崎:29社も断られ続けたマサさんの徒労感、想像を絶するものがあります。

マサ:はい。とりわけ事業計画書を読んでもらえないことが悔しかったですね。一銀行員として、彼らが求める内容は百も承知しているからこそ、完璧ともいえる計画書を作成して臨んだ。にもかかわらず、誰一人として目もくれず、開口一番「担保ありますか?」なんです。

それでも私が諦めなかったのは、本業のスキルアップにつながると信じて疑わなかったからです。当事者としてリスク判断できれば、融資担当としてこれ以上の強みはない。実際、他の銀行員の働き方から得るものは多く、視野が広がりました。

培ったノウハウを本業にも活かせる、それが理想的な副業のあり方といえるでしょう。

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この番組のパーソナリティ

榊原直也

榊原直也

データ・サイエンティスト株式会社 代表取締役社長

Webメディアと検索順位との関係を数学的に解き明かす技術で複数の特許を持つ。その技術を駆使したサイト診断サービスは、その効果が口コミで広がり、いまや著名企業が何ヶ月も待つほどの人気サービスに。プライベートでは、難しい分野でもわかりやすく楽しい雑談ネタにしてしまう「バラトーク」が、学生、主婦、ビジネスマン、経営者など幅広い層に大人気。モットーは「楽しく!わかりやすく!」。

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