最新の事例やパッドデータ、意外な事実など、経営者 榊原直也 のアンテナに留まったビジネス話題をご紹介する『ばらさんのBusiness Talk | バラトーク』。

今回のテーマは、心のメカニズム。音楽を利用した認知症治療や、細菌が持つストレスへの効果など、分子レベルで解明が進む人の心に迫ります。

 

◇ 出演者 榊原直也 / 曽志崎寛人

◇ ゲスト 大前和徳さん

提供 : データ・サイエンティスト株式会社 
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  • 3Dプリンターでテレポーテーションが可能?
  • ゲームや音楽で健康増進を図る製薬会社
  • 土の中の細菌「バッカエ」が人の心を癒す
  • 若い時に聞いた曲が認知症を改善する
  • 高齢者の「もう資産を増やさない」で加速する投資離れ
  • ブロックチェーン技術が解決するおひとりさま老人の課題
  • 家族も知るべき、若き日の両親が好きだった音楽
  • スマホアプリが人生の終末期に再び活躍する
  • 流行歌時代の昭和から、音楽にも個性が出る平成へ
  • 同じ曲ばかりをおすすめする「レコメンドシステム」
  • レコメンドの精度を高める「双子分析」でも、解析できない脳の仕組み
  • 繰り返し視聴したいコンテンツは終末医療に活かせる
  • ビジネスは多くの変数を操るゲーム

3Dプリンターでテレポーテーションが可能?

榊原:何年か前、3Dプリンターが騒がれていましたが、まだ大きな話題はありませんね。

大前:以前耳にしたものでは、3Dプリンターでテレポーテーションが可能になるという話がありました。

たとえば、新しいiPhoneケースを作ったとします。ボストンの皆さんに実機を確認してもらう場合、iPhoneケースのデータだけを送信すると、ボストン現地の3Dプリンターがデータを元にiPhoneケースをその場でプリントする。

これは実体的なテレポーテーションと言えますね。

現状、人間を転送することはできませんが、データ化できるモノなら、ほぼテレポーテーションと同じことができるということです。

榊原:単純な生物なら、2000年後あるいは3000年後には、生物のテレポーテーションも実現できるかもしれませんね。

でも、時間はかかる気がします。

曽志崎:生物の細胞とAIを、緻密に再現する技術が発達すれば可能ですね。

榊原:生物の中には、細胞数か、あるいは遺伝子の数だったか、定かではありませんが、20個ほどしかない生物もいるみたいですね。

つまり、テレポーテーションの実験にきわめて向いている単細胞生物なら、再構成が可能かもしれません。

同じ魂(意識)を持っているかはわかりませんが、姿形を離れた場所で完全にコピーできる。

大前:これから、すごい時代が来ますね。

 

ゲームや音楽で健康増進を図る製薬会社

大前:あと何十年か経つと、人間は死ななくなるとも聞いたことがあります。

榊原:あまり知られていませんが、200年〜300年以上生きる生物は結構多いと言われています。

高等動物の中でも、コイなどもそれに該当します。また、亀も長生きですよね。大型のゾウガメは240年ぐらい生きるとも言われています。

さらに長く、400年くらい生きる二枚貝も見つかっていますよね。実は、貝の年齢は特定しやすいのです。

大前:貝殻の年輪で判断するのでしょうか。

榊原:そうです。200年、300年、400年生きる貝は、多数見つかっているのです。長く生きる原理がわかれば、意外と無理な話ではないかもしれませんね。

大前:先日、ある音楽業界の人との会話の中で、製薬会社が健康増進の話をしていることを聞きました。製薬とファーマと音楽にはどのような関係があるのかと。

健康増進について、薬を作る代わりにゲームや音楽で治療をすることを本気で研究している製薬会社があるそうです。

アルツハイマーや躁鬱などに効くそうで、筋力トレーニングや反射神経なども関わる病気は、ゲームや音楽で治せるのではないか、という話です。

もし、本当に製薬会社が製品化したら、すごく面白いですよね。

 

土の中の細菌「バッカエ」が人の心を癒す

榊原:治療薬の原理的には、ストレスに対して良好な免疫反応を備えているか否か、ということですよね。

先日、アメリカのコロラド大学の研究成果で記事を見たのですが、土の中に含まれている何かの細菌が、人の心を癒しているというのです。

大前:どうやって細菌を特定して、関連付けをおこなうのでしょうか。

榊原:原理など少し調べたのですが、はっきりとはわかりませんでした。ただ、自然の土に含まれている「バッカエ」という細菌作用するようです。

そのバッカエという細菌をマウスに注入したところ、脳の中で不安を司る箇所のあるタンパク質が増加するようです。そのタンパク質が増加すると、ストレスに対する抵抗力が増すということです。

バッカエを使うことで、人の気持ちを和らげる薬ができるかもしれませんね。

大前:しかし、人の不安の根本的な原因を解明せずに、脳の特定の箇所を刺激して不安を鎮めるのは、分子レベルで作用する麻薬と同じようなイメージも持ってしまいますが、どうなのでしょうか。

榊原:たとえば、ストレスでも機嫌が良いなどの気分にしても、その時に脳内で何が起こっているのかは特定されはじめているんです。

それは、脳内で何が起こっているという大枠ではなく、大前さんがおっしゃったように分子レベルの話なのです。

気分に対してどのようなホルモンが分泌されているか、そのホルモンを分泌するきっかけとなるタンパク質の形などがわかってきているというのです。

大前:それは、最終的に薬という形になるんですか?

榊原:やはり、薬になり得るわけです。

先程お話ししたバッカエという細菌もそうですが、微生物ベースのストレスワクチンを作れる可能性があるということですね。

人間の身体の中では、微生物がいろいろなことを引き起こします。そして、身体も微生物に対抗するために物質を分泌させるわけですよね。

それらはすべて分子の働きです。この働きに作用させれば良いということですね。

大前:現在、メンタルなどの心に関わる癒しを提供するサービスは、増えることはあっても減ることはほとんどありません。基本的な生活である衣食住のサービスが満たされると、次は心を癒すサービスですよね。

マッサージ屋が流行るのも似たような文脈かもしれません。バッカエの話も含めて、心の癒しを求める人たちの問題を一発で解決できるようになるかもしれませんね。

たとえばピルを一粒飲むだけで解決するような可能性を期待できる、大きな話につながりますね。

 

若い時に聞いた曲が認知症を改善する

榊原:先日、Amazonプライム・ビデオで見つけたのが、いわゆるアメリカの老人福祉センターの映像です。

90歳から100歳くらいのおじいちゃんやおばあちゃんが余生を過ごしてるのですが、そのほとんどの方が重度の認知症を患っているのです。

自分の10代の頃のことなんてまったく思い出せなかったおばあちゃんとおじいちゃんたちに、抗うつ剤などをはじめとしたさまざまな最先端の治療も行われているのですが、その治療法の中に、医師も驚くほど劇的な改善効果をもたらす治療法があったのです。

その治療法というのが、10代20代の時に聞いていた音楽を聴いてもらう、という方法です。

その音楽を聴いていた時のことを思い出すのです。当時のことを話し出すのです。

大前:それはわかりますよね

人間の認知とか知覚は、さまざまなコンテキストと結びついている気がするので、匂いとか音楽とか、視覚とかだけではないと思うのです。

榊原:たまに、すれ違ったおばちゃんがつけている香水の香りで、なにかを思い出しそうになることありますよね。

大前:漠然としている、でもポジティブな思いだった、という記憶ですよね。

榊原:匂いや音から記憶が蘇ることもあるので、タンパク質レベルの処方も含めて、聴覚・嗅覚・視覚、すべての方向から脳を刺激すると、スイッチを入れる方法もありますよね。

記憶を思い出すためには、脳の特定の部分に電気信号が届けばいいわけですからね。

別のエピソードでも話したかもしれませんが、強引な人たちもいました。

アメリカの研究なのですが、おじいちゃんとおばあちゃんの脳に電極を着けて、直接刺激を与えて思い出させる、という事例もありましたね。

 

高齢者の「もう資産を増やさない」で加速する投資離れ

大前:高齢化社会の課題は、金融機関の未来としても非常に深刻です。

先日、証券会社の人と話をしている中で聞いたのですが、今、高齢者の投資信託や株式の解約が増えているそうです。

証券会社は基本的に回転売買ですので、やはり金融商品を買ってもらわなければなりませんよね。

お金を持っているのはお年寄りで、お年寄り相手のビジネスという一面もあるのですが、今の70代の方達は「これからは資産を増やさなくていい」と思っているんです。

要するに、いつ死ぬかわからないから、いつでも使える現金や預金にしておきたいのですね。

榊原:流動性を高めておきたいということですね。

大前:そうです。そういった理由で、解約が進んで困っている、という話があったのです。

親の世代は、介護を考える、あるいはすでに介護時期に入っている人が増えています。そこで起きているのは、「親がいつ死んでもいいように、預金を自分の手元に移したい」、あるいは「銀行口座の暗証番号を聞いておいて、いつでもお金を引き出せるように準備しよう」ということです。

配偶者同士でもしっかりとそういう話し合いをしておられます。

たとえば、お父さんが亡くなったら、お父さんの預金をどうするのか。家族ですら引き出せない状況で亡くなると、相続の話をしようにも相続人全員の署名がないと銀行口座から預金が引き出せず、銀行口座が凍結という話にもなるのです。

口座が凍結されると、凍結解除をおこなうのは結構大変です。

手続きを考えると、銀行側も、あらかじめ配偶者に預金を引き出してもらったほうが有難いと考えている節もあるのです。

 

ブロックチェーン技術が解決するおひとりさま老人の課題

榊原:そのような問題を回避するように、事前に対処するサービスも出てくるわけですね。

大前:これから出てきますね。お年寄りが認知症になる前に対策しなければならないのです。

だから、「こうなった時にはこうする」という形をデータで記録しておいて、自動的に処理するような、ブロックチェーンサービスが必要になってくるでしょう。

認知症になった人たちのお金を、適切な形で処理をするサービスは絶対に必要になると思っています。

また、配偶者や子供がいる場合はまだ良いのですが、これから増える「おひとりさま老人」は、老人ホームなどの施設に入って、施設の利用料金は年金が入る口座から引き落とす。

でも、外出や買い物もしない場合には、年金は口座にどんどん貯まっていくわけですよね。

個人口座に貯まっていく年金をどうするか、という問題はいつかやってきます。これは、ものすごく深刻な問題です。

口座に貯まった年金を狙う詐欺も出てくると思います。お年寄りの口座から、どうにかお金を引き出す方法を考える詐欺集団ですね。

榊原:詐欺集団が、お年寄りに「記憶を思い出させます」という偽サービスを名乗って、ヘッドギアのようなもので電気刺激を与えるようなこともあり得ますからね。

 

家族も知るべき、若き日の両親が好きだった音楽

榊原:認知症のおじいちゃんおばあちゃんに音楽を聴かせる映像、ぜひ見てみてください。本当に思い出して、話をし始めますから。

十代の時に聴いていた音楽を聴くと、虚ろで視点も合っていなかった目がパッと開いて、希望に満ち溢れた表情に変わるのです。

もし、お父さんお母さんとか、認知症になりかけている方がいらっしゃるようでしたら、昔どんな音楽を聞いていたか、大好きだった曲は何かを聞いてみてください。

僕は、父親は音楽全く聞かない人だと思い込んでたのです。つい数年前に、実は島倉千代子さんの大ファンだって初めて知った時、びっくりしましたよ。僕の前で音楽を聴いていたことなんてなかったのですが、若い時に大好きだったと。そんな40〜50年前の話をされたりします。

そういったことは、毎日顔を合わせて話をする家族でも知らないことかもしれませんよね。

もし知っていれば、いろいろなことが思い出せなくなった時に、島倉千代子さんの歌を聴かせてあげると喜ぶかもしれませんね。

 

音楽アプリが人生の終末期に再び活躍する

曽志崎:最近では、聴いているものがSpotifyやApple Musicなど、だれがどの曲をどれくらいの頻度で再生したかが残っていますよね。

彼らが健康増進のサービスに踏み出すにあたって、今の文脈はすごく面白いですね。

榊原:今の世代であれば、アプリに履歴が残っています。

すると、その音楽の履歴を使って60年後をサポートすることもできますね。

曽志崎:Apple Musicなどの再生履歴を、APIを利用して外部のサードパーティが使えるようになると非常に面白いですね。

榊原:どうやら、歳をとってから聴いた音楽ではダメなようですね。10代や20代くらいの時に聴いていた曲が、その時代のことを思い出す誘導材になるということです。

今はもう聴いていない、遠い過去の曲の履歴が、人生の終末期に再び活き始めるという話ですね。

流行歌時代の昭和から、音楽にも個性が出る平成へ

大前:昭和の時代というのは流行歌の時代で、平成の若い世代の曲の選び方に違いがある気もします。

平成世代はSpotifyの履歴を追って、若かった時代の音楽を聴くことができますが、昭和の時代だったら「あの時に流行った美空ひばり」といった曲の選び方になりますね。

榊原:昭和の時代は、みんなが聴いている曲は大体似ていましたからね。現代は、人それぞれ、聴く曲のジャンルがバラバラですね。

大前:平成のこの年代ならこの曲を聴かせれば良い、という曲選定が難しい可能性があります。

榊原:アプリが特定している個人の曲の好みや、あるいは視聴履歴から紐解いていくしかありませんね。

でも、そういう手法がわかってるだけでもありがたいことですよね。SpotifyやApple Musicの履歴から曲を選定して、聴かせてあげれば思い出せるということですからね。

私なんかは、ゴダイゴの銀河鉄道999とか、あの時代の曲を聞いたら、いろいろなことを思いだしますもん。

大前:Podcastは残りますからね、ご家族が聴いて、お父さんがちょっとしんどくなってきたときに使ってもいいですよね。

榊原:青春の曲って大事だそうです。

曽志崎さんの時代はもう、個人が聴く曲がみんなそれぞれバラバラになってきているのではないですか?

大前:なんでしょう。Mr.Childrenであればみんな共通、というわけではないですよね?

曽志崎:ほぼそうですよ。

90年代、2000年代ぐらいから、僕も自分で曲を選ぶようになってきましたけど、そこから遡ると、90年代はMr.Childrenがすごい活動していましたよね。

榊原:しかも、名曲がたくさんありますよね。

 

同じ曲ばかりをおすすめする「レコメンドシステム」

曽志崎:最近では、Apple Musicを触っていると、毎回おすすめされる曲には、ある一定のアーティストの音楽ばかりが出てきます。

おそらく、日本中でみんなが同じ曲を、同じタイミングで聴いているということなのでしょう。

そう考えると、現代でも果たして個別に違った曲を聴いているのか、それとも同質化が進んでいるのか、実態と論理値では少しズレがあるかもしれませんね。

榊原:実態も論理値も、どちらもせめぎ合いをしているのかもしれませんね。

インターネットを見れば、みんなの間で何がはやっているのかを知ることになりますから、つい聴いてみたくなりますよね。

曽志崎:おすすめが毎回同じアーティストの曲だと、飽きがくるというか。1〜2年前の曲がまだおすすめされてるようなこともあります。

確かに世の中の人たちは好き好んで聴いているのでしょうが、僕はもういいよと。

大前:僕も同感です。

SpotifyだとかAmazon Musicとかいろいろ聴いているんですけど、おすすめに上がってくるものはやっぱり飽きてしまいますね。

榊原:Spotifyなどの音楽アプリケーションに限ったことではないのですが、その他のウェブサイトでも、「おすすめするシステム」をレコメンドシステムと言いますよね。

そのレコメンドシステムの性能自体がまだまだ未熟ですよね。イマイチなレコメンドが多くないでしょうか?

大前:おっしゃる通りですね。

 

レコメンド精度を高める「双子分析」でも、解析できない脳の仕組み

大前:どうすれば精度を高められるのでしょうか。

榊原:さまざまな研究の中には、「双子分析」というものがあります。

世界中で、その人の趣向と似た人が、次に何を聴いたのかを判断する分析方法です。趣向が似た人が、まったくヘビメタを聴かないならば、この人にもヘビメタはレコメンドしない、ということです。あるいは、この曲を聴いた後にこの曲を聴いた人は、アメリカにもいたな、という分析ですね。

人種や住んでいる国も違うけど、聴いている曲の趣向が同じなら、次はこの曲がレコメンドできる、ということです。

このような分析は、数学的には割と簡単です。今のレコメンドシステムは「双子分析」なども採用されています。それでもなお、精度が低いと感じるということは、解明されていない脳の仕組みがあるということですよね。

大前:なぜ今この曲が聴きたいのかは、自分でも予想できませんよね。滅多に聴かないジャンルを聴きたくなることもあります。

榊原:何かでスイッチが入った時にそうなるのでしょうか。

「何で急に落語?」とか。(笑)

大前:それはレコメンドシステムでも難しいですよね。自分でも予測不能なニーズですからね。

榊原:また、同じ曲をどれくらい繰り返すと飽きてくるか、何度同じレコメンドをした時に「イラッ」とするか。このような分析も織り込まれなければ、延々と同じレコメンドをされ続けることになりますよね。

繰り返し視聴したいコンテンツは終末医療に活かせる

曽志崎:そういう飽きを感じた時に、立ち戻る音楽をお二人はお持ちですか?

僕はクラシックを聴きます。たくさん知っているわけではないですが、フランツリストの『ラ・カンパネラ』というピアノだけは結構好きで聴きます。

大前:超絶技巧の曲ですね。

曽志崎:ランキング上位のポップ・ミュージックがあっても、とりあえずクラシックを聴いて、脳を再起動するという感じです。

榊原:アプリ側が「あなたの鉄板曲どれですの?」って、ヒアリングしないと難しいですよね。

つまり、曽志崎さんがその曲になぜ飽きを感じないのかというのも、曽志崎さんの中で特別枠に入っている曲ということですよね。

僕にもそういう曲がありますよ。なぜかこの曲は、このパフォーマンスこの映像だけは何回見ても飽きない。

たとえば、ブルース・リーの『怒りの鉄拳』という映画。何回見ても飽きない名シーンがあるんですよ。

大前:曽志崎さんの、フランツリストの『ラ・カンパネラ』の話から、『怒りの鉄拳』との話という、いいかに個人によって触れ幅が違うか、やはり個々の個別ターゲティングの時代になっているのですね。

でも、クラシックが凄いというか、時代に残った音楽の持つ普遍性かもしれませんね。

もしかしたらMr.Childrenやサザンオールスターなども、200年後にはヒールミュージックとして残るかもしれませんし、怒りの鉄拳も200年後、若者たちを鼓舞するシーンとして残るかもしれませんね。

柏原:何回も観たくなるシーンや、何回も聴きたくなる曲というのは、終末医療におおいに活用されていくべきですよね。

 

ビジネスは多くの変数を操るゲーム

大前:人間はやはり、最終的にはアウトプットですよね。

働き方改革も進む現代で、どうやって限られた時間で最大成果を出すかということになると、成果が出しやすい環境を作らなければならないですよね。

アウトプットが局在化するためのスケジューリングの仕方があって、あとはどこで仕事をするかなどですよね。もちろんその環境には音楽も必要かもしれません。

榊原:一緒に働く仲間との相性でも、とても良い成果が生まれることもあります。音楽、人、場所、さまざまなものが影響を受けて、テンションも上がりますよね。

大前:ビジネスが幸いにして飽きがこないのは、答えが見つけにくいからでしょう。これが正解だと思っても、別の正解があったりしますよね。

変数がきわめて多いということです。だから、ある意味楽しいゲームともいえますね。

榊原:座禅を組んだり、何十年もお寺に籠る方達は、その変数をできるだけ減らして、自分の内面に向き合い、心を落ち着けるということですよね。

変数が多すぎる世の中で、生きていながら心を落ち着けることができたら、これは最高の寺院になりますよね。

ビジネスの現場って、とてつもなく難易度の高い寺院といえますよね。

大前:以前、SBIにいた時ですが、野村証券の社長だった田淵義久さんから言われた話が印象に残っています。

「野村証券の社長やるってどういうことがわかる?」と聞かれました。

その答えが「自分の足下でグツグツと噴火しようとしている活火山の上で、座禅組んでることだよ」という表現で。

お尻の下では常に何かが沸騰している、何が起きるかわからない。

たとえば、お客さんから「変な株売りやがって、ふざけんな」といったクレームとの戦いなどですね。

証券市場っていうのは銀行と違って、毎日値段が勝手に動いてるものを取り扱っていますよね。ですから、きわめてスピーディーで、金融機関の中でも最もダイナミックな世界だと思います。

そんな証券市場の社長ですから、トラブルはもう大変なことですが、そこで座禅を組めるぐらいの人ではないとダメだというんです。

榊原:考えたら日常生活ってそれに近いものがありますよね。

たとえば、子育て中のお母さんにとってみれば、小さい子は何をしでかすかわからない。それを笑顔で対応したり、優しく包んで、時には怒ったり。

子供をあやすよりも、自分の心なだめるほうが大変だと思いますよ。

大前:変数が多くてコントロールできないことが多いということですね。

榊原:それを何とか、そこで座禅を組まなければいけないわけですね。

だから、お寺に籠って座禅組むのもまた良し、この変数の多い社会で座禅を志すもまた良しと。

ばらさんのBusiness Talk | バラトーク(ばらとーく)

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この番組のパーソナリティ

榊原直也

榊原直也

データ・サイエンティスト株式会社 代表取締役社長

Webメディアと検索順位との関係を数学的に解き明かす技術で複数の特許を持つ。その技術を駆使したサイト診断サービスは、その効果が口コミで広がり、いまや著名企業が何ヶ月も待つほどの人気サービスに。プライベートでは、難しい分野でもわかりやすく楽しい雑談ネタにしてしまう「バラトーク」が、学生、主婦、ビジネスマン、経営者など幅広い層に大人気。モットーは「楽しく!わかりやすく!」。

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