世の中の興味深いマーケティング事例や大きな数字、意外な事実など、経営者 榊原直也 のアンテナに留まったビジネス話題をご紹介する『ばらさんのBusiness Talk | バラトーク』。世の中の興味深いマーケティング事例や大きな数字、意外な事実など、ビビッときたものをご紹介する番組です。今回のテーマは外注先のコントロールについて。外注することで、競合他社にノウハウが伝播されてしまう問題をどう解決すべきか。悩ましい問題をスパッと解決いたします。
◇ 出演者 榊原直也 / 曽志崎寛人
提供 : データ・サイエンティスト株式会社
https://kwtool.co/company.html
- 外注先コントロール不足で起こる、ノウハウの流出を防げ!
- 戦えるコンテンツ作りの肝は、「誰に」外注するか
- Googleが重視するWebコンテンツの「主題」
- コアノウハウを守るのは、「外注しない仕事」の見極め
ノウハウ流出。外注先コントロール不足で生まれる負のスパイラル
「Web集客プロジェクトを始めたいけど、社内に詳しい人がいない・・。」
そんな時、制作会社に外注するケースはよくありますよね。
ここで難しいのが、外注先のコントロールです。特に外注するタイミングは、意外と大事。
プロジェクトをはじめから外に丸投げしてしまうと、集客ノウハウは全て外注先に構築されてしまいます。そして、ノウハウは競合他社へ流れやすくなります。
そのため事業会社としては、まず一人か二人のコアとなる信頼できる社員で体制を作り、そこから徐々に広げてプロジェクトチームを形成していく方法が最適です。
しかし、コアとなる社員がしっかりと育つには、時間も労力もかかる。だから、優秀な外注先に頼るんですね。そして、優秀な外注先がつくと、担当者は思考を停止したくなってきます。本来社内で議論すべきことまでも、考えるのがめんどくさくなって、まとめて丸投げでしてしまいたくなるんです。
外注先に丸投げすることによって、ノウハウは外注先に構築され、数年以内に競合に漏れ始める...。これがよくある負のスパイラルです。
戦えるコンテンツ作りの肝は、「誰に」外注するか
もちろん、デザインやコーディングなど、専門知識が必要な部分において、外注先の力を借りることは有益です。ただ、一緒に組む相手は慎重に選ぶべきです。
例えば、Webライティングを外注する場合。自社で練り上げた原文をわかりやすい文章に仕上げる作業は、プロのライターの力を借りてもいいと思います。ですが、事業内容を詳しく知らないライターが書く文章は、どうしても表面的な内容になりがちです。
表面的なライティングテクニックに頼ることで、他社との差異がなくなります。
また、似たようなレベルのライターが競合他社のWebライティングも担うことで、ただのライターの腕くらべになってしまう...ということはよくあります。
“私たちはこういう装置を製造しています。半導体製造装置のメーカーでございます。”
これは、どこの会社でも言えますよね。装置の奥底に秘められたノウハウや苦労、獲得した特許の稀少性など、本当に深く知っている人にしか述べられない世界観がにじみ出てこないと、競争力のあるコンテンツにはならないんです。
Googleが重視するWebコンテンツの「主題」
Googleに、表面的な文章テクニックは通用しません。
専門家が書く文章と、素人の文章では、専門用語の分布が異なるので、簡単に見極められるのです。
Googleは、独自のアルゴリズムを構築していて、世界中数多あるWebページを全て自然言語処理にかけて、スコアリングしています。
みなさんは、自然言語処理において意外と文章が読まれていること自体には注目されていますよね。しかし、Googleが特に重要視しているのは、「文章の主題」部分なんです。
例えば、2万文字の記事が解析される場合、ボリュームよりも、中核テーマを持っていて、内容が主題に沿っているか、という部分が重点的に解析されます。
ではなぜ、文章の主題に重きをおく解析がされるのか。それは、その主題が検索された時に該当のドキュメントをヒットさせないといけないからです。文字数にかかわらず、キーワードが検索された時にヒットさせる文章を瞬時に判断するためです。
もし、主題が1つでなく2つある場合は、ぜひアドレスも2つに分けてください。
キーワード検索をしてヒットした記事を読む時に、全く異なる2つの主題が1ページに書かれていたとします。本来知りたい後半の主題を読めために、前半の主題も読まなくてはならないのはちょっと不便ですよね。
検索エンジンは不便さをあまり良しとしません。
例えば、動画検索者には動画が、ツール検索者にはツールがサッと提供される。冒頭から主題について深く語りこまれている。そうした、ユーザーにとって役に立つ内容であることが望ましいのです。
コアノウハウを守るのは、「外注しない仕事」の見極め
今回は、社内にコアノウハウを持つとはどういうことなのか、という主題でお伝えしてきました。
特に事業会社の方には、自社のコアとなるノウハウはどこからどこまでなのか、という線引きを意識して研究していただきたいですね。
例えば、「自社サービスの強みはこうである」「プロダクトを語り切る」「自社が語るべきことを目次化する」「PRのラインナップを作る」といった仕事は、コアノウハウに直結しますので、自社で取り組むべきでしょう。
こうした、Webの技術的な知識がなくても、自社でしか語れない原文の構築は、本来外注しなくても良いはずです。
プロジェクトのコアとなる社員たちが見極めなくてはならないのは、自分たちが全力を尽くして頑張る部分と、外注する部分のボーダーラインだと思います。
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